「ごめんね、むりやり連れ出しちゃって」

「あ、いえ…大丈夫…です…」


先程と変わらず、無表情の七瀬くん。

正直何を考えているのかよくわからない。


「早速なんだけど、昨日の告白の返事をしたいなと思って呼んだんだ」


"告白の返事"と聞いてぴくり、思わず反応してしまう。


…そもそも、昨日の失態は告白に入るのだろうか。

あれはただ私が口走ってボロを出しただけであって───…。


「悪いけど、遠坂さんとは付き合えない」

「あ、はい……」


面と向かってはっきり言われると結構辛いな。

もう一度、過去に戻れたら…なんて。


視線を下に向け、つんっと鼻先が痛くなる。


「でも俺、遠坂さんとはこれで終わりにしたくないんだよね」

「───えっ」


顔を上げると七瀬くんが真っ直ぐこちらを見ている。


「俺の悪い所は思ったことをはっきりと口に出して無意識に人を傷つけてしまうとこと、察するのが下手なとこなんだ。…だけど、遠坂さんの熱弁(?)を聞いて今まで告白してくれた女の子たちには今更ながら悪いことしたな…って、申し訳ないことしたな…って思った」


…はて、私、七瀬くんに熱弁なんてしたっけ?