「…中条くん、ありがとね」

「ん?急にどしたの?」


中条くんは中学の時から苦手だと決めつけていたけれど、こうして話してみると案外普通に良い人だった。


「中学では同じクラスになったことなかったけど、もっと早く中条くんと友達になりたかったなぁって…今更後悔してる」

「……」


眉を下げて笑う私に対して、中条くんは少し驚いた表情をする。


「…うん、オレも。中学の時から遠坂さんと仲良くなりたかった」


はは、と朗らかに笑う中条くん。


「じゃあ私、七瀬くんと食べてくるね!」


お弁当箱が入ったランチバッグを持って、私は教室を出た。









「…ドンマイ、中条」

「…は?アヤまで急になんなの?」

「女の子紹介してあげよっか?」

「いらん」

「…申し訳ないけど、ウチは七瀬くん応援してるから」

「いや、だから…別に好きじゃないってば」