「…ところで遠坂さん」

「はい」


顔を上げると七瀬くんの大きな瞳とばっちり視線が絡み合う。


「俺たちは晴れてお付き合いをすることになったわけだけど、何かしてみたいことある?」

「してみたいこと…?」


私は顎に手を当て、七瀬くんとしてみたいことを考えた。


「…コンビニであんまんと肉まんを買って、それを半分こにして一緒に食べたいです……」

「えっ…」

「えっ?」

「「……」」


お互いきょとんとしながら見つめ合う。


「えっと、それだけでいいの?」

「あ、他にもたくさんあるんですけど、その…か、彼氏(・・)とコンビニに行って買い食いをするのが憧れで……」


黙ってしまう七瀬くんに「だめでしょうか…」と、恐る恐る問いかける。


「別に、いつでもできるからだめではないけど…。なんかこう…さっきみたいにハグとかそれ以上とかじゃないんだ…って思って……」


気まずそうに目を逸らしながら答える七瀬くんにかかか、と顔に熱が集まっていく。


「あ、あぁ〜っ!!そそそ、それはもちろんしたいというか…!いや、あのっ、ハグも全然…あと、それ以上もしたいとはおみょっ、思ってはいます!!」

「…遠坂さん、赤べこみたいな顔してる」

「はいっ!?私は牛じゃないです!!」