「あのね、遠坂さん。男からすれば、好きになった子はたとえどんな女子でもこの世で1番可愛く見えるもんなんだよ。"綺麗"とか"美人"とか関係なく、その人自身にしか目がいかなくなって、輝いて見えんの」

「中条にしては良いこと言うじゃん」

「"中条にしては"って何?オレはいつでも良いこと言いますよ〜だっ!」

「いっつもヘラヘラしながらキモいこと言うじゃんね」

「アヤさん?オレがいつ・どこできもいこと言いました?」


2人が言い合っている中、七瀬くんがあの時、私にこう言ってくれたことを思い出す。

"私を見た目だけで好きになったわけではない"、と。

考えていることを2人に見透かされ、自分が愚かであることを思い知らされる。


何が覚悟と勇気だ。

何が時間をください、だ。


「…絢ちゃん、中条くん、ありがとう。自分のやるべきことがわかった」


立ち上がり、空を見上げて決意を胸に抱く。



「私、今日七瀬くんに告白する!!」



宣言した私を見て絢ちゃんは目を見開きながら「え、まだ告ってなかったの?」とツッコむ。


「まあまあ、遠坂さんがそう言ってんだから応援しようよ」

「はあ?中条はどうすんの?」

「───えっ…?」