「だってさ〜、これからまだまだ沢山の人に出会っていくってのに、学生の恋愛ごときで付き合うことにぐずぐずする必要なくね?オレらまだ人生半分も生きてないし、大人のように見えて子どもだし、実際働いたことだってないし…」
「な、中条く───」
「そもそも遠坂さんはさ、七瀬くんと結婚する前提で付き合うつもり?」
「……へっ!?」
け、結婚…!?
何言ってるの、この人……。
「30代くらいの年齢ならわかるけど、オレら未成年だよ?お互い好きなら付き合うことくらい当たり前だし、誰も責めたりしないっしょ!」
うんうん、と隣で頷く絢ちゃんと笑っているけど、目は笑っていない中条くんを交互に見る。
「つまり、オレが言いたいことは、ただ1つ!"さっさと付き合え"ってこと。遠坂さんのことだからどうせ七瀬くんと釣り合えるように綺麗になってから付き合おうとか思ってんでしょ?」
「えっ、な、なんで知って…!?」
「あんたの考えてることなんて、ウチらには丸分かりなのよ」
中条くんの代わりに答える絢ちゃんに再度「えぇっ!?」と声を上げる。