「他人の言うことなんかどうでもいいじゃん!勝手に言わしとけばいいんだよ!汐莉だって今、七瀬くんとどうなりたいか、自分が1番わかってるでしょ!?」
───私が今、七瀬くんとどうなりたいのか……。
「……で、ウチらの会話ずっと聞いてる中条はいつまで中庭にいるつもり?」
「…えっ?」
絢ちゃんが突然柱の方に振り向いて話しかける。
"中条"って……。
そう思った瞬間、
「ありゃ〜、バレてた〜?」
ヘラヘラと後頭部をかきながら校舎の入り口付近の柱の陰から中条くんが顔を出した。
「ウチらの会話聞いてんじゃないわよ、気持ち悪い」
「いや、わざとじゃないから〜っ!!自販機でジュース買おうとしたら2人が恋バナ始めて出るタイミング失っただけだし!!」
「あんたの言い訳はどうでもいいとして…。中条はさ、ウチらの会話聞いてどう思った?」
「え、絢ちゃん?」
話を振られた中条くんは腕を組んでうーん…と考え込む。
「えっと〜、オレはね〜…なーんかすっげーイライラした☆」
「えっ…!?」
満面の笑みで毒を吐く中条くんに思わず声が裏返ってしまった。