《駅から学校まで一緒に行きませんか》


電車を降りたくらいのタイミングで七瀬くんから1件のメッセージが送られてきた。

その後、改札を出て七瀬くんの姿を探す。


「……うぶっ!?」


余所見をしていたら、誰かとぶつかってしまう。


「おはよう、遠坂さん」


顔を上げると眠たそうな瞳で私を見ている七瀬くんが目の前に立っていた。


「……かっ…!?」

「……か?」

「……ハッ!!おはようございます!!」

「うん、おはよう」


和太鼓のように鳴り響く心臓が七瀬くんに聞こえるのではないかとヒヤヒヤさせつつ、平静を装う。

…危ない、思わず『かっこいい!!!』と叫びそうになった。

朝から七瀬くんをお目にかかることなんて滅多にないからついつい浮かれてしまった…!


「そういえば、ライン見た?一緒に学校行こう…って、誘ったんだけど…」

「ももも、もちろん!私でよければお供します!」

「…ふはっ、おとも…」


目を細めて柔らかく笑うものだからズキューンッ!!と、胸がときめいてしまう。


七瀬くん、無表情なのは変わらないんだけど、なんだろう。

関わり始める頃よりかは少し表情が豊かになった気がする。