婚約式の後は、公爵邸に戻り、食事会が行われました。両家のお母様は楽しそうにおしゃべりしています。

「石の中にお花が咲いてるなんてとっても素敵よね~」
「カタリナちゃんもそう思った?これは今度のお茶会でお話しなくっちゃ!」
「新しい流行になる。花入り魔法石を販売するのも良いかもしれないな。」
「はははっ!早速商売の算段か。引退したと言えど流石ですな前公爵。」

前公爵様もお父様と歓談されていて、過去のわだかまりが解けてよかったと安心いたしました。
 私は、なんだか歓迎されているかのような雰囲気に混乱しております。魔力を流すことさえ難しく感じるような不出来な嫁で良いのでしょうか…。

 ウィルは…、私の目の前に座り、私を見つめています…。
 何故でしょう。どこか私に変なところがあるのでしょうか?見たことのない穏やかな微笑みを浮かべてこちらを見つめるウィル。目が合うたび嬉しそうに笑みを零すので、私は混乱しています!ご飯の味なんて分かりません!

 私がウィルの視線で困り果て、赤く縮こまっているのを満足そうに眺めています。
 その視線に気づいたお兄様も、「おい、ローズ。あれ、ウィルで合ってるよな?」と不思議な質問をしてきました。私にも分かりません!