花婿の君へ 




中学3年の夏から高3の夏、私は忘れられない恋をした。

もうあんなに誰かを好きになれることないと思う。

私が彼と出会ったのは中3の夏。

地元の夏祭りで一目惚れをして告白したのが
きっかけだった。

ダメ元での告白だったから、あの時はまさか
OKがもらえるとは思ってなくて。

告白してから知った。

彼は同じ中学の一つ下の子だった。

バドミントン部で成績も優秀。

顔も良し、性格も良し、身長も高い。

漫画に出てくるような彼と夢のような交際が始まって、私の人生は薔薇色だった。



「さーやか、その話もう5回聞いた。

さっさと現実戻ってこーい。」


そんな薔薇色の人生が終わって7年。

仕事終わりの居酒屋、職場の友達とお酒を交わす日々も、薔薇色とまでは言わないが
十分幸せなのかもしれない。


「7年経っても忘れられないよ〜あの男は。

ほんっとに楽しかったなぁ。学生時代。

戻りたーい!」


「そんなこと言ってるけど、振られたのあん

たでしょ?もう戻れないよ。現実戻れ!

明日から新規のお客さん来るんでしょ?」


「あーそうだった……