ジョシュアが無理に連れてきたのだろうか。

 しかし、ジョージはジョシュアの扱いなど慣れている。お得意のかわいい顔でちょっと甘えてやれば、ジョシュアはころりと言うことを聞くだろう。

(じゃあ、ジョージは自ら戦ったってこと?)

 王都中の女性から熱烈な支持を集め、警護する王族からも覚えがめでたい黄薔薇の騎士は、腕も立ち、先輩後輩からも一目置かれている。
 まさに才色兼備な彼は、それはそれは高いプライドを持っていらっしゃる。

 お情けで婚約してやっていた幼なじみから一方的に、それも自身で告げるのではなくジョシュアを介して婚約破棄を告げられたとあっては、いたく傷ついたに違いない。

 そして、先日のあいさつの一件のこともあって、ジョージの怒りの矛先は、レーヴではなくデュークへ向かってしまった──と、そんなところだろうか。