…どこか視線を感じて、目を開く…

あぁ、俺は寝てたのか…

そして感じる視線の相手は、七瀬佳奈だった。

その生徒は、俺が目を開けたことに安心したのかほっ…と息を吐くと、

「目が覚めて良かったです」

そう言い、七瀬佳奈は帰り支度を始めた。

「氷室先生も、寝てしまう事あるんですね、学校ではとても警戒してるように見えたんですけど。」

どうしてそんなことに気づいたのか、と驚き周りを見渡すと

外が真っ暗になっており、こんな時間まで待って居たのかと愕然(がくぜん)とした


立ち上がろうとすると、

ハラリ…

俺の体にマフラーが掛けられていた事に気づく。

「これ…お前のか…?」

マフラーを持ちながらいえば、

「そうですよ、寒そうでしたから。」