「はいはい、全部私が悪かった。ごめんなさいね」

「あーもう、やっぱ許せない。てか許さない。許されないミスですわあれは」

「ちょっ、一回許したものをぶり返さないでよ!」

 影法師が、ゆらゆら。
 ゆらゆら揺れて、私達と一緒に笑ってる。

「アーホ、バーカ」

「いーっだ、もう、優馬なんて、知ーらないっ!」

 そう言って、私は走り出す。自然と笑顔がこぼれる。

 そっか、優馬、1年したらOKなんだ。
 いつのまにか、そんなふうに思った。

 優馬が一緒に走って追いかけてくる。

「ガキか」

 後ろで声がする。

「ガキじゃないっ!」

 私は振り向いて、そう反論する。

「ガキガキ。ああ、俺はガキなんて恋愛対象見れないなぁ」

「でも1年したら良いんでしょ? はい、競争ね!」

 私は走り出す。…まるで、子供に戻ったみたいにはしゃぐ。