「…月が綺麗ですねって、あなたが好きって意味だろ?」

「…そうなんでしょ?」

「返事には、OKなら死んでも良い、ダメなら死にたくないって返すんじゃないのか?」

「う、お、あ、…え?」

「何語だよ」

「日本語だけど…え? なに、そういうことなの?」

 もうちょっと、調べてから使うべきだった…?

「…てか、それなら、優馬は、今はムリだけど1年したらOKって…答えたってこと?」

「そうだよ? は? なに、お前、なんも知らないで使ったの?」

「そうだよ! 悪かったですね!」
「…ここにアホがいる…」

 そう言いながら、優馬は校門を出る。私も続く。帰り道は途中まで一緒だから、隣まで行って歩く。

「アホじゃない! 普通、そんなの知らないでしょ!?」

「知らなくても、使うんならせめて調べろよ! 今みたいな勘違い沙汰になったらどうするつもりだったんだよ!」

 言いながら、優馬は笑う。つられて、私も笑う。