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「わあっ、すごいね! ペンギンがご飯食べてるところ見れるなんて! 可愛い!」

 私は子供みたいにはしゃぐ。それから、はっとする。

「…ペンギン、好きなの?」

「…大好きなの。ごめんね、私ばっかりはしゃいじゃって」

「いいよ。それに、つまんなそうにしてるより楽しそうにしてくれてた方が、こっちとしても嬉しいし」

 「それに——」と口を開いて、近藤くんは何か言いかけてやめた。「なんでもないや」と言う近藤くん。

 どうしたんだろ。

「次は何見に行きたい?」

「えっと、次は近藤くんの行きたいところがいいな」

「えっ、僕? いいよ、遠慮しなくて」

「…遠慮じゃないよ」

 ——私が、近藤くんの好きな物を知りたいだけ。

「…? まあ、いいけど。でもつまんないと思うよ?」

「別にいいよ」

 てかっ、つまんないとか思うわけないよ!

「ありがと。実は、さっきから行きたいと思ってたところがあってさ」

 場所を聞いてから、私達は談笑しながらそこに向かった。