短い髪を金色に染めて、耳にはピアス。倫子と同じくらいの年齢であろうか。シャイン学園の物ではないが、制服姿である。突然声を掛けられたので、驚きの余り、振り返ったきり倫子は固まってしまっていた。
その少年は、そのまま倫子を通り過ぎ、岬の先端に立ってしばらく海を眺めていた。


それから五分は経過しただろうか。その少年は、振り返って倫子を見つめると、とびっきりの人懐っこい笑顔で倫子に言った。

「良かったら、俺と話しない?」

突然の申し出に、倫子は緊張し、顔を赤くした。そんな倫子を見て、少年は倫子に言った。

「急に変な事を言ってごめん。でも、なんか誰かと話がしたい気分でさあ。もし君さえ良ければ、これで会話しない?」

そう言うと、少年は、ポケットから携帯電話を取り出した。そして、何やら文章を打ち込んで倫子に見せた。