普段は、この時間帯は人がいない場所で、少しひっそりしている。この場所だけが、倫子の自分を出せる唯一の場所なのである。
「人前でも、これだけはきはきできたらなあ…」
髪の毛を指でくるくるさせながら、倫子はつぶやいた。
その時、ふいに後ろから誰かの声が聞こえてきた。
「でも…何?」
えっ、と倫子が驚いてふりかえると、そこには、一人の少年が立っていた。
「人前でも、これだけはきはきできたらなあ…」
髪の毛を指でくるくるさせながら、倫子はつぶやいた。
その時、ふいに後ろから誰かの声が聞こえてきた。
「でも…何?」
えっ、と倫子が驚いてふりかえると、そこには、一人の少年が立っていた。