「ぶー!大ハズレ!」
「なっ、何ですってぇ~っ!」
「初めて会ったあの晩、あの女性は、とても緊張していて…俺とまともに話が出来なかったのさ。だから…」

そう言って要は、ポケットの中から携帯電話を取り出した。そして、さらにこう言った。

「俺のメール番号を彼女に渡し、良かったら、ここに返事をくれませんかって言って、その日はお別れさ。
だから!ここにいる三人…いや、あんたとこの子のどちらかが俺のメール番号を知っているはずだ。」

そう言って、要は、後ろから支えつつ、倫子にささやいた。

「携帯、今持ってる?」

倫子ははっとして、ポケットから携帯電話を取り出し、要にメールを送った。
一方、二人と言われて、舞は驚き振り返った。どんぐりとえんぴつの姿はもうなかった。見捨てられたのだと舞は悟った。

―あ・い・つ・らぁ~っ!あとでおぼえてらっしゃい!―