大崎先生は、倫子達に言った。

「校長先生からの伝言だ。『Good Luck!』、だそうだ。
そう言うわけで、張り切って行こう!」

みんな大きくうなずいた。人に聞こえそうなぐらい、心臓がばくばくしている倫子も覚悟を決めた。

―この輝く街の様に、この街の朝日の様に…ううん、それよりも輝いて見せる!―

午後一時半。舞台の幕があがった。

―先手必勝!―

早速、舞が倫子に攻撃を仕掛ける。

「シンデレラ、仕事の後は、私の前でタコ踊りをする事になっていたでしょ!いつもの様にやってみせて!」

もちろん、本当のシンデレラにそのような内容などない。目茶苦茶である。しかも、まともにタコ踊りなどすれば、女の子のイメージとすればがた落ちである。それを狙いつつ、自然に意地悪な継母を演じるという舞の奸計(わるだくみ)である。
だが、倫子も負けてはいなかった。