「継母役は、深川さん、そして、シンデレラ役は赤井さんでお願いします!」

倫子は、うれしさのあまり、隣りにいた同じ劇に出演するクラスメートに抱きついていた。
周りも、倫子がシンデレラ役を射止めた事に対して喜んでくれた。

「おめでとう!」
「良かったね、りんご!主役なんだから、張り切っていくのよ。恥ずかしがってちゃダメだよ。」

みんなと喜びを分かち合っている中、突然、パチパチと拍手が聞こえた。深川舞である。

「おめでとう、りんご!あなたなら、きっとうまくシンデレラを演じることができるわ。だって、最近のあなた、すごくいきいきしてるものね。
私も、継母の役で『精一杯』頑張るから。」

そう言うと、舞は笑顔で倫子を抱き締めた。そして、倫子の耳元でささやいた。