倫子は、「みちこ」であって、「りんご」ではない。だが、倫子は「超」が付くほどの恥ずかしがりやで、すぐに顔が真っ赤になる。加えて、名字が「赤井」であったため、いつしか「あかいりんご」とあだ名されるようになっていた。

―りんごと呼ばないで―

倫子は、みんなにそう言いたかった。だが、それさえ恥ずかしさの余り言えないでいた。引っ込み思案で恥ずかしがりや。
しかし、そんな倫子も今年で十六歳。心に決めている事があった。

―今年こそ、自分の気持ちをきちんと言える人になりたい。―

そう願っていた倫子に、ある転機が訪れる。その転機とは…