肌を刺し、体温を奪い、心を冷やす、雨。
でも、心地よいのは何故だろう。
多くの人は雨を嫌うけれど。
僕は、雨が好きだ。
空は暗い。
でも、優しく切ない音がする。
息を吸う。
君を、僕自身を、変えるために。
「ねえ」
──どうか、この想いが届きますように。
「騒がしい…」
私の嫌味は一瞬にして虚空に消えていく。
それくらい、全く中身の違う生き物が集められたこの空間…教室という名の牢屋は音に溢れていた。
誰もが必死に口を動かしている姿を見て、今度はため息を一つ溢す。
「早く終わらないかな…」
クラスでの決定権を持つグループが大きな笑い声をあげて、私の小さな願い事ははたまた虚空に消された。