「なににしたの?」
「キャラメル、いつもの。キャラメルソース多めで」
柔らかく笑った友人を見て愛理も笑った。
中学からの付き合いで、見た目はこれだけ違って、交友関係も変わったがお互いの根の深いところにある付き合いやすさは今も健在なのだ。
「昨日、病院行ってたんでしょ?どうだった」
「いつもと同じだよ、薬飲んで経過を見ましょうってさ」
「ふーん、まあ、満が治ったらいいなって、ずっと思ってるよあたしは」
「ありがとう、愛理のこと今後も大切にします」
「そうして」
愛理も満も付き合いが長いのもあってお互いのことをよくわかっていたし、基本的によっぽどでなければ隠し事もしなかった。
しないというか相談するのにすぐ話してしまう、といったほうが正しかったし、心配をかけまいという隠し事はなんとなくお互いすぐばれた。
「あ、そうそう見てこれ」
「ナイトアクアリウム? ふーん、あ、品川のやつか」
「うん、めっちゃ綺麗じゃない? 満こういうの好きかなーって思ったからさぁ行こうよ」
「うん! 行きたい! こういうのほんとす……」
「うわ待ってごめん」
「ううん、こういの興味ある! ありがとう愛理!」
言いよどんだ理由も、愛理は知っている。