何も言わずとも、車は私の家の近くまで来ていた事に驚いていると、


「お腹空いたな、何食べたい?」

「…ここ、家の近所なんだけど…」

「おっ!じゃあこの辺詳しいんだ!
どこか美味しいお店連れてって~~」

「しょうがないな……」


賢心の好きな食べ物は‥……


「美味~~い!お好み焼きなんて何年ぶり
だろう!雪乃は俺の事何でも分かってるなぁ♪」

「フフっ‥……」

「雪乃もっと食べなよ。食欲ないのか?」

「‥……ねぇ…」

「ん?」

「また、オーストラリア行くの?」

「いや、もう行かないよ。こっちの病院にいる」

「そ、そっか…」

「安心した?」

「安心?……どうかな…」

「離さないって言っただろ?離れないって言った方が正しいかなぁ」

「何が正しいのかは分からないけど、とりあえず
また会えたのは‥……嬉しいょ」

「フフッ」

「あっ!今笑ったでしょ!私が喜んでると思って調子に乗ったな!!」

「違う違う!ごめんごめん!久しぶりに雪乃の
照れる顔見れて、嬉しかったんだよ」

「‥……ばか…」


そうやってまた、私を大人しくさせるんだ。