私が倒れた時、お母さんはすぐに救急車を呼び、
心臓マッサージをしてくれた。
家族に心臓病が2人もいたお陰で、心肺蘇生法も完璧にマスターしていたのだ。

急いで病院へ運ばれすぐに救命処置を開始し、
私の心臓は動き出したけれど、またいつ止まってもおかしくない状態で意識も戻らぬまま……

そして私はタイムカプセルと一緒に賢心のいる
病院へと運ばれていた。


「賢心、雪乃の事よろしく頼むわね。
あとこれ…賢心の家の庭から出てきたんだけど」

「あっ、これ!!探してたやつです!」

「あら!そうだったの!?」

「日本に戻って来た時、実家の庭がリフォームされてて、もう捨てられたのかと思ってました!」

「本当にあなた達は、昔から離れられないのね」

「えっ?」

「雪乃の事、しっかり掴まえておくのよ」

「ぁ、はい!」


賢心は、スヤスヤと眠ったまま動かない私の手を握り、ある事に気が付く。


「この指輪!……やっぱり雪乃は、俺から離れられないんだな……早く起きろ、結婚するんだから…」


指輪をはめた手を握り、泣きながら祈り続ける。