「本当困っちゃうよ。激しい運動は禁止なのに
雪乃が欲しがるから」

「…なにそれ‥……」

裸のまま、ベッドの中でくっついていた私は
恥ずかしさのあまり賢心の胸に顔をうずめて、
抱きしめられながら安心感を覚えた。けど……

「…ぅ」

その安心感が、突如不安感に変わる。

いつまでも顔をうずめたまま、次第に体を丸めて荒くなる呼吸にすぐに気付いた。

「雪乃!」

「…はぁはぁ、賢心が…激しすぎる、から…フフ」

なんて冗談は無視されて、私の手首で脈を取ると
すぐに賢心は服を着て水と薬を持ってきた。

「苦しい?めまいは?」

「もう、大丈夫……ハァ…とりあえず、服着たいな」

「いいからまず飲んで」

そう言いながら体を起こして支えると、
半ば強制的に薬を口に入れ水を飲ませてきた。

「ぅ、んぅ~~」

「飲んだか?」

「ぅん…強引な医者だなぁ……ハァ…」

すると裸のままの私をぎゅっと抱きしめてきて、
きっと不安なのだと思い声をかけようとした時…


「大丈夫だからね。俺がずっと付いてるから」


私の不安を見抜かれて、先に安心させてくれた。


「大丈夫だよ。私もずっと離れないから…」


泣き虫賢心は、大人になったんだね……