「雪乃は理学療法士だから院内ではなかなか
会えないかもなぁ」

「ねぇ……どうして?
本当は日本に戻るまであと1年あったよね?」

何か引っ掛かっていた。
あまりにも急であまりにも近すぎる。
今まで会えないくらい遠くにいたのに…

「‥……雪乃のそばにいたいから」

「なにそれ‥……」

「ダメか?」

「‥…もしかして、涼くんから……」

「そういえば涼にも会えるな、あいつ元気か?」

「‥……ぁ、うん。元気だと思うょ」


涼くんとは、高校の同級生で賢心と同じく医者になり、今は理学療法士として私が勤めている病院で‥……私の主治医もしている。


「ありがとう…帰りは1人で帰れるから」

「気をつけて帰るんだよ」

「子供じゃないんだから…」


近すぎる賢心からまた必死に離れようと
してみる。

幼い頃、私が賢心を守ってあげなきゃ!って勝手に思っていたけど、私にはそれが出来ないかもしれないと分かった時、頑張って幼稚園の時の約束も忘れたんだよ…
それなのに、また私のそばに付いてくるなんて…