そう吐き捨て、そのルーズリーフをぐしゃ、と握りつぶすとそのまま教室の角にあったゴミ箱へホイと投げ捨てた。


音もせず、ゴミと化したそれは箱の中へ飲み込まれた。




「蓮田のばーか」



先程「うざ」と言っていた女子が蓮田に向かって嬉しそうに笑いながら言った。



しょぼんとしながら蓮田が花の後ろ姿を目で追う。蓮田的には捨てられた最高傑作よりも、花に怒られたことの方が堪えるらしい。




「よくわかんねーけど、つばくろナントカちゃんはやめとけ。」




飯豊は蓮田を励ますようにそう言って、ぽんぽん、とその落ちた肩を叩くと、端整な顔に珍しく怒りのシワを作り続ける花の元へ向かった。