二人は顔を合わせた瞬間、駆け寄り僕たちが近付くことの出来ないほどに抱き合い…涙した。
朱莉さんがいかに四季ちゃんを大事に思っていたのか。
四季ちゃんが朱莉さんのことをどれ程大事に思っていたのか。
二人には見えない絆が繋がっている。
そんなふうな二人のような関係を長い時間をかけて僕と四季ちゃんもなりたいと思った。
この時に二人が何を話したかは分からないが、恐らくおめでたい話をしたのだろう。
言葉の端々でそんな風な掛け合いをしていたから。

そんな二人を見ていた僕と山田課長は同じ気持ちになっただろう。

同じような覚悟をしただろう。

「え!?ああ~四季ちゃんのお姉さんなのね。。。
 そう。良かった。。。
 本当に良かった。。。」と百合さんが呟いた。

百合さんと秀さんも突然の来客に驚いていたが、四季ちゃんの姉の登場で一瞬だけ唖然としていたが目に涙を浮かべ、久しぶりの再会に歓喜の表情へと変化した。
まだ、若い女の子が突然、両親が亡くなり、二人遺され辛く感じていた百合さんと秀さんは二人の事を言葉には出さないが心配はしていたから。
それに二人の事情は僕より知っているはずだから、思うこともあるのだろう。