少し目が泳いでいるが、ちゃんと聞いてくれているのが分かったのでさらに話を進める。

「まだあるから、続けるよ?
 四季ちゃんって職業は看護師だったよね?」

「?…はい。」

「どこの病院?」

「へえ?…この町のクリニックです。」

「どの診療科だっけ?」

「……。内科です。」

「内科だと、この町だと…6軒か、7軒あると思うけど、四季ちゃんのクリニックの先生って男性?それとも女性?」

「女性です。
 この町だと女医の内科は私の勤め先のクリニックだけかも知れません。」

「ああ。確か、緑色の屋根の。」

「はい。そうです。
 もしかして玲央さん、来院した事ありました?」

確かに、受診した事はあるがそれは四季ちゃんがまだ看護師になる前のはなし。
彼女は狼狽えてはいたが、思ったよりスムーズに会話ができた事に胸を撫で下ろす。
僕の話をちゃんと聞いてくれている証拠だから。
ふぅ。
ここで、三つ目の告白。




「四季ちゃんの勤めてるクリニックの院長は、僕の母親だよ。」





驚きのあまり思いっきり、目を見開き、テーブルに手を着き席を立ちそうなり椅子がガタッと動いた。

(そうだよね。想像を遥かに超えている告白だろう。)

「どっ、どういう事ですか!?」

「どうも、こうもなくあのクリニックは僕の母親が院長をしていて母方の実家だよ。」

母方の祖父が院長をしていたが、今は引退をして母が院長をしている。

「尚子先生からはご長男さんは医師になり、今は大学病院でお勤めしていると。。。」

「それは、僕の兄だよ。
 三人兄弟なんだ。」

四季ちゃんは"そうだったの!?"と理解したのか思わず両手で顔を隠した。