新たな感情に少し戸惑いながらもテーブルに付き、「デザートをお持ちしました。」と言うと女の子独特の明るい声が跳ねる。
「うっわあ~可愛い~
パパ、ママ、ありがとう!!」
「しき、お誕生日おめでとう~」
「メリークリスマス~」
デザートに夢中になる四人に一礼して、テーブルの片付けに行こうとすると、
「お兄さん、ありがとう!
食べるのが勿体ないくらいに可愛い~
とっても嬉しい~」と本日の主役であろう、しきちゃんに声を掛けられた。
「どういたしまして。
しきちゃん、お誕生日おめでとう」とごく自然に彼女に言った。
これが、初めての会話。
そして、僕が君に恋に落ちた事を確信した出来事。
彼女の成長を待って、徐々に距離を縮めたいなんて考えていた。
君の誕生日のデコレーションは毎年僕が描いていた。
数年後、会えなくなるとは思いも知らずに。
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