最初は趣味程度で書き始めた小説が
いつの間にか映画化なんて話になって、
ワクワクした気持ちも本当だけど
正直、自信がなかったし怖かった。


だけど、今、私のことも
私の作品も、全部を認めて貰えた気がして
ホッとしたんだ。


そして、遥稀役が五十嵐陸だったってことに
一番安心したんだ。


この人なら、絶対に遥稀を演じきってくれるし
映画化になることに自信がなかった私の気持ちを
100%大丈夫だと思わせてくれた。


椅子に座り直して、呼吸を整え口を開いた。


「さっき、自信を持って作品を世に出してるって
言ってくれましたよね?」


「うん。」


「私、これならキュンキュンしてもらえる、
楽しんでもらえる、感動してもらえる、
そう思ったものを書いてます。
確かに自信を持ってました。
…小説でなら。
だけど、映画化なんてスケールの大きい話になって
映像になるって思ったら正直怖かったんです。
でも、もう怖くないです。
五十嵐さんが演じてくれるなら、
私は自信を持ってこの作品が映画化すること
良い作品になるって言いきれます。
…遥稀役、五十嵐さんで本当に良かった。」