この笑顔を隣で見ていたい、
この笑顔にさせるのは俺で在りたい、
そう一瞬で強く願ってしまった。


そしてこの子の魅力はそれだけではなかった。


この場に現れた時の
自信なさげな態度は
作品について語った時に一変した。


堂々と話をしていて、目を輝かせて
自分の書いたものをとても大切に思ってること、
登場人物、一人一人に感情移入していること、
そしてそんな大切な作品を
俺たちに演じてもらえることが嬉しいと
安心したような表情でそう言った。


この子の、ヒメユリの想いを
きちんと受け取らなければいけないと
役者全員が気合を入れ直したことだろう。