「そんなことは…。」


アイドル様は褒めるのが上手だ。


「本名の優里愛って呼んでもいい?
嫌じゃなければ、そう呼びたいな。」


「もちろん、何でもどうぞ!
でも、男の人に呼び捨てされるのなんて
お父さんにしかされたことないから
ドキッとしちゃうかもしれないですけど…。」


なんだか気恥ずかしくて
へへ、と笑った。


「…それ本当?」


「本当ですよ。」


だって平均女子のことを
わざわざ名前で呼びたがる子は
中々いないからね。


「じゃあ、俺が一番貰っちゃうね、優里愛。」


ーーーッ////


…なんでしょうかこの破壊力。


こんなに綺麗に口角を上げて
爽やかに笑う人がこの世に存在するなんて…。