家に帰って、すぐに優奈、聡美、そして田中くんにもお礼のメッセージを送った。

皆祝福してくれて、あたたかいその言葉に笑みが溢れた。

不意に、河村くんの顔が浮かんで少し胸が痛くなる。

休みが明けたら、彼にも伝えよう。

それは彼を傷付けることかもしれない。
それでも、もう一度感謝の言葉を伝えたいと、そう思った。


ベッドに寝転んで、帰る間際の西川くんを思い出す。

『明日、どこかに行かないか?』

少し照れくさそうにそう口にした彼からは、緊張が滲み出ていた。

『明後日振り替えで休みだし、その…デート…みたいな…。』

そんな彼に胸を高鳴らせながら2つ返事で了承すれば、彼は嬉しそうに笑っていた。

その笑顔が思い出されて、胸がまた苦しくなる。

『俺、沢村と行きたい場所があって…。見せたいものがあるんだ。』

そう言った彼に首を傾げても、彼は内緒と言って教えてはくれなかった。

『明日、見せるから。楽しみにしてて。』

そこがどこなのかは分からない。
少し帰りが遅くなるけど大丈夫?と言う質問に頷けば、彼はまた嬉しそうに笑っていた。

彼が帰ってからも胸の高鳴りは収まらなくて、今日はなんだか眠れそうもなかった。

明日は10時に迎えに行くと言ってくれた。

優奈が選んでくれたスカートを着ていこう。
そう決めて目を閉じても、やっぱり眠れなくて。

思い出される西川くんの笑顔を見つめながら、私は暫く熱に浮かされたままでいた。