私は咲來に励まされ、一緒に保健室に向かった。
 保健室のドアを開けると、奥にほけんしつのせんせいが座っていた。
「せんせいー! 歩楓が休みたいんだけど、いいかな?」
 咲來が元気に言うと、保健室の面倒くさそうに受け答えをしている。
 この人はいつもこのような人なのかと思っているが、私は保健室にお世話になることがないので先生のことをよく知らない。
「なんだ、ずる休みか?」
 先生の対応はどこまで行っても適当だった。
 だけど、こんな先生でも高評価な先生なのでしっかりしているところはしっかりしているのだと思います。
「そんなんじゃないって。体調が悪いわけじゃないんだけど、今日は教室入りたくないって」
 咲來が一生懸命私の状況を説明してくれている。
 だけど先生はなぜかあまり納得は言っていないが、折れてくれた。
「仕方ない。初回だから許してやる」
 初回じゃなかったら許してくれなかったのかなと思ったが普通は体調不良ではないので、当たり前の対応だと思った。
「やっさしー」
 咲來は半分笑いながら言った。
 先生も先と一緒に乗っているがしっかり先生の責務を果たしているところは感じている。
「お前は戻れよ」
 めんどくさそうに咲來を追い出そうとしている。
 ちゃんとしているんだなとそこで感じた。
「はーい、わかってまーす」
 咲來は教室に戻っていった。
 二人になるとなんだか緊張して何も言葉が出てこなかった。
「大松だったよな?」
 先生が名前を確認する。
 私はあったことがないので、名前なんて知らないと思ったが先生は私のことを知っているようだった。
「はい」
 何で知っているのかわからなかったが、先生なので当たり前かとも思いながら、ドア近くに立っている。
「何があったのか聞くが、答えたくなかったら答えなくていいからな。あと、立っているのも疲れるだろうから、そこに座って」
 話を聞くときはちゃんとしているんだ。
「わかりました」
 私は咲來に話したことを先生に話した。
 こんなことになるなんて思っていなかったが、他人に聞いてもらった方がすっきりするのかなと思いつつ話した。
「また、面倒な奴に目をつけられたな」
 何のことだかわからなかったが、矢部君君の周りの女子のことなのかなと察しがついた。
 だけど、先生がまたと言ったことが気になった。
「知っているんですね。矢部君さんの周りにいる女子のこと」
 何か知っているのかな?
 でもそんなことを知っているぐらい自分みたいのことが起きているのかなと思っているが、その人たちは今どうしているのかな?
「まぁな。そのことでここに来るやつも多かったからな。最近は減ったと思ったんだが」
 最近まであったということが怖かった。
「その人たちはどうしたんですか?」
 聞くのは怖かったが、その人たちが何か対策しているのなら自分もその方法を取ろうかと考えた。
「大体が転校していった。お前もそうなる前にはなれるかしろよ」
 その人たちは何をされていいたのかわからなかったが、転校するまで追い詰められたのだと自分がそうなるのかと思うと怖かった。
 だけど自分の力では何もできない。
 そのあと先生は何か作業をしていた。
 作業している先生を見ながら私はふと矢部君君のことを思い出した。
(今までそんなことがあったんだ。矢部君君はそのこと知っているのかな?)
 何もやることがないのでこれからの対策を考えながら放課後になるのを持ったが、二時間ぐらいそのことを考えているのもひまだったので、保健室にある本を読んで待つ子にした。
 放課後。
 咲來が荷物を持ってきてもらうまで保健室にいた。
「歩楓。矢部君から聞いてきたわよ」
 保健室のドアを思いっきり開けながら先は言った。
 矢部君がどう思っているかわからないが、少しだけ会うことが怖かった。
「ありがとう」
 咲來が知っているかは知らないが保健室の先生から聞いたことは言わないことにした。
 これ以上先に心配させたくないし、これ以上先を巻き込むこともしたくないからだ。
「屋上に来てほしいですって。私部活ないから帰るの待っているつもりだけど、帰ったほうがいい?」
 一緒に帰ってくれるとは思わなかったが、一人でかえるよりはましと思った。
 でお矢部君と話している間に咲來に何かあったら申訳ない。
 それに待たせていること自体が申訳ない。
「時間があるなら待っててほしいかな?」
 それでも日檻で帰ることがいまわ怖かった。
 事情を説明すれば矢部君は一緒に帰ってくれるだろうが、矢部君に申し訳に。
 本当のことを言うと、矢部君といるところを矢部君の周りにいる女子ににらまれることが怖かった。
「わかった。屋上出るときに連絡頂戴」
 少しでも早く切り上げようと思ったが、矢部君とも話したいと思った。
 それでも先をあまり待たせたくないので、少し早切り上げようと思った
「わかった。ありがとう」
「ゆっくりでいいからね」
 咲來は私が考えていることが分かったのか、そういってくれた。
 矢部君が屋上で待っていると言っていたので、あまり待たさないように屋上に向かって走った。 
 屋上のドアを開けると、矢部君が夕日を見ていた。
「遅くなってすみません」
 息をと問えながら矢部君に話しかけた。
 夕日を見ていた矢部君の邪魔になったが、それでも話せることがうれしかった。
「急いできてくれたんだね。ありがとう。朝はごめんね」
 些細なことも築いてくれる矢部君はこんなにい人なのに、周りの人が急に天候と買ったらかわいそうだな。
 それでも矢部君自身が動いてもあまり状況が変わらないなと思った。
 矢部君自身より矢部君の周りの女子が変わる以外この状況を変える方法はない。
「矢部さんが悪いわけではないので、謝らないでください」
 矢部君がどう思っているか知りたいが、今の矢部君に聞くと謝られるだけ気がしたので聞くことはやめた。
「だけど、教室で話しかけたりしていたのがまずかったんだよ」
 矢部君は教室で私と話していることを後悔していた。
 私はすごく楽しいと思ったし、そのおかげで話すことができたので、矢部君がいなかったら今の私はいない。
「でも私は楽しかったです、教室で話すことができなかったので矢部君さんがいてくれてよかったと思っています」
 今は素直な気持ちが考えなくても言葉になって出てきた。
 いつもなら少し考えないといけないけど、こんなすぐに出てくるとは思っておらず、驚いているが矢部君を少しでも限築けたいと思っているからかなと少し思っている。
「そうかな?」
 矢部君は下を向いていたが上を向いてくれるようになった。
いつもにゃべ君なら想像できないが、こんなことが何回も起きているのに元気でいることのほうがすごかった。
「矢部君さんが話しかけてくれなかったら、私は今も教室で誰とも話せないままでしたし、友達も咲來しかいませんでした。今はまだいませんがこれからできると思いますし」
 今まで言いたかった御礼を私はここで言えた気がした。
 こんなことだけで返しきれたとは思っていないが、少しでも元気になってほしいと思っている。
 私の言葉で元気になる人はいないけど、それでも少しでも上を向いてくれたらと思う。
「っそっか。でも俺の周りにいる女に軟化されたら行ってよ、絶対。守るから」
 そういってくれることがうれしかった。
 それでも、矢部君に守ってもらうだけではなく自分でお何か自営をしようと考えるが何がいいのかわからない。
「ありがとうございます」
 それでも矢部君といることを取りたいと思う。
 ほかの話したいことなどを話している下校時間の予冷が鳴った。
 予冷が鳴ったので、咲來に連絡を取り下駄箱集合となった。
 ここまでの視線を感じることがなく、帰りはあ辛して帰れるのかな?
 そう思った時に校門で毎回感じる視線のことを思い出した。
 咲來がもう下駄箱にいたので少し遠いところから見えたので駆け足で咲來も元に行った
「咲來、お待たせ」
 咲來と話している矢部君が追いついた。
「そんなに待ってないよ。矢部君も一緒に帰るでいいんだよね?」
 矢部君を見て咲來が言った。
 矢部君は少し残念そうな顔をしているが、三人でいた方が私的には安心できる。
「うん」
 靴を履き替えて高音のほうへぬかって歩いた。
 校門を出ようとしたとき、朝向けられていた視線と同じ視線を感じた。
 五男帰りの校門で感じていた視線と同じものだった。
(もしかして最近にらまれていたのって矢部君さんの周りにいる女子?)
 感じたことがある視線に少し驚いた。
 感じたことのある視線は少し前から感じているので、その時から私が矢部君君と放課後話していることがばれていたということに思い至った。
 視線の主が誰だか悩んでいると、咲來も視線を感じたのかあたりを見渡して何かを確認しているようだった。
「咲來、あたりを気にしているようだけど、何かあった?」
 私は気づかないふりをして先に話しかけた。
 そこで矢部君も何かを感じたのか、周りを気にしている。
「歩楓が最近視線を感じるって言ってたけど、もしかして今も関してる」
 咲來には知らないふりをしていてもばれる。
 だけどここで正直に言えばこの先状況が変わるかもと思い先に話した。
「さっきから視線が刺さってるけど、咲來も?」
 咲來にも刺さっているなら、咲來に被害が行く可能性があるのではと考えたが、今の私に何かできわけでもない。
 そんなことを考えていると咲來は、何かを考えながら矢部君を読んでいた。
「一瞬だったけど、矢部君一度私の横に来て」
 何をするのかわからないが、そんなに大きな声ではないので視線を送っている人には届かない声でった。
「わかったけどこれで何が分かるんだ?」
 矢部君は咲來が何しようとしているかわからないまま、言われた通り先の横に移動した。
「まぁ、誰がにらんでいるかわかるんじゃないかな?」
 咲來は少し面白そうに言った。
 横に来た矢部君の腕を咲來が組んだ
 私は少しやきもちを焼いてしまったが、咲來が内をしようと考えているのかわかった。
「あーー!?」
 今まで感じていた視線がやんだと思たったら校門近くの気に隠れていた視線を送っていた人だと思う人が叫びながら出てきた。
 その人の顔を見ると、どこかで見たことがあるなと思っていたが、朝も見たことを思い出した。
「何樹君ンと腕なんて組んでるの!?」
 今まで隠れていたことを忘れていたかのように、女の人は怒っている。
 私は怒鳴られたことに驚いて少し引いてしまっていた。
「なんでって私が組みたいと思ったからよ」
 咲來は開き直って相手をしている。
 私は二人の影に少し隠れる形になったが会話はしっかり聞いている。
「樹君は何も言っていないんだったら、迷惑でしょ」
 いつも女子が矢部君にやっていることとかわらない気もするのだけど。
 私は今ここで言うともっと騒ぎがというより声の大きさが上がりそうだったんで言わなかった。
「それをあんたたちが言うの?」
 咲來は少し切れて、私が思っていたことを女子に行った。
 図星を疲れた女子は何も言わなかった。
 女子たちは固まっているので、二人はこのまま帰ろうとそろって言われたので女子たちを置いて校門を出た。
「咲來、ありがとう」
 本当は巻き込みたくなかったので、私がやるべきことだったが、私は怖くて動くことができなかった。
「気にしないで。私がやったことだし。矢部ごめんね」
 咲來はこれぐらいならいつでもと言ってくれたが、これで敵意の矛先が先に向かないか心配になった。
「俺こそ気にしないで。本当は俺が何とかしないといけないことなのに、全部柿沢さんに任せた形になって」
 矢部君も視線を感じていたのはわかっていたみたいだけど、いつも視線を感じているので気にしていなかったと言っている。
「これで黙ってくれてたらうれしいのだけど、そんな簡単にいかないよね」
 咲來は一時しのぎにもならないと言っている。
 保健室の先生に聞いた話からすると、これからがやばそうと思う。
「そうだね、教室ではそんな派手なことはしないだろうと思うけど、大松さんが一人になるとやばいかも。柿沢さんもなるべく一人にならないようにしてね」
 矢部君はできるだけ何とかすると言ってくれたが、一人になると危ないとも言われた。
「私は大丈夫よ。私の友達もこのこと知ってるから、何とかなるよ」
 咲來は自信満々に言った。
「何かあるなら行ってよ。柿沢さんの場合は俺の力はいらないと思うけど」
 咲來が強いことは誰もが知っているが、空手などを知っているわけではなかった。
 そんな先でも私の中では心配で仕方がなかった。
「そうね、私は良い。その代わり歩楓のことをしっかり守ってよね。私にかなわないとか思ったら、多分歩楓のほうに行くと思うから」
 咲來は矢部君に念を押すように言った。
 咲來とはクラスが違うのであまり被害はないと思うが、心配する。
「わかった。目を光らしておく」
 二人に送られて、私は家に帰った。
 部屋に入って今日のことを考えると学校に行くことが怖く感じたが、家にいるよりはましなので、学校に行こうと意気込んだ。