「おはよう!柿園さん」

「あ、太田くんおはよう」

良かった。太田くん、今日は元気そうだ

「俺さ、今はまだ辛いけど、前に向くって決めたんだ。柿園さんのお陰」

「…っ私はなにも」


ズルいよその笑顔
もっと好きになっちゃうじゃん


「あの時、柿園さんと話したお陰で少しは気が紛れたからさ」

なんて笑う太田くん


「そっかぁ!良かった」


私が役に立ててたなら嬉しい


なんて話してるともう教室の前
まあ、同じクラスだからここまで同じ道なんだよね笑


教室のドアを開けるなり
ダダダダッと走って来たと思えばその勢いでぎゅっと抱きついて


「ちょっとちょっと!!ふわり!今朝の、なによあれ!!説明しなさい。学校中大騒ぎだったんだからね!姫と王子が話してるって」


と栞奈ちゃん
怖いです、栞奈ちゃん


そういえば今日は確かに学校中騒がしかったなぁ
太田くん騒ぎはいつも聞いてたけど、今日はそれ以上に


っていうか、王子は分かるけど…

「栞奈ちゃん、姫ちゃんって誰?太田くんと話してたのは私だけだったよ?」


なんて言うと


「はぁ。これだから天然無自覚美少女は…」


なんて、ますます訳の分からないことを言う


「だーかーら!ふわりは、学年一の美少女で、太田 奏斗は学年一のイケメンで、あんた達のこと、それぞれ姫と王子って呼ばれてんのよ!」



「…え?私が美少女?!学年一?!な、そんなことないよ!お世辞にもほどが…」


「はいはい。もう無自覚なのは分かったから。可愛いのは認めてよね…。それで?何で王子と話してたの?」


私が認めないのを諦めたらしい栞奈ちゃんはさっきの疑問を投げかける


私は、昨日あったことから今日まで至る経緯を全て話した