「はぁ…俺、まだ好きなんだけどなぁ…どうしろってんだよっ…」


さっきまで耐えていた涙をこぼしながら
太田くんはそう呟いた


そんな姿に
他の女の子を思いながら悲しんでる姿に
苦しそうにしている太田くんの姿に


「…っ」


耐えられずに思わず私も涙がでた


ガタッ

あっ!やばい。手のひらで涙を拭おうとして上げた腕が椅子に当たっちゃった…

「誰か…いるのか?」


?!


ど、どうしよう。見つかっ…


「…柿園…?」


「あ…。太田くん」

「聞いてた…?今の」

こう言うとき、嘘が上手ければ…
だけど、嘘が下手な私は


「…へっ?き、聞いてないよ…?」


なんて分かりやすいんだ…