後は、優真とレイだなんて思っていると明らかにタダを捏ねている叫び声が聞こえてくる。


「ぎゃあああ!!僕、この雰囲気がだめ!!もう駄目!!」
「レイ先輩!大丈夫ですよ!お守りにうさぎのキーホルダー上げるから頑張って下さい!!」
「わあ、可愛い!キーホルダーだね!!キーホルダーのお礼に幽霊が来たら優真ちゃんの事守るから!!出てくるなら、殴ってやるから出てこい!!」



なんだか、ヤバい人がテリトリーに入ってきた感じがして押し入れの奥に身を隠した。



な・ぐ・ら・れ・る!!


そんな恐怖から姿を現す事が出来ない。



「レイ先輩。なにも出て来ませんね!!」
「う、うん!!出て来たら本気で殺るし……」
「あははっ!!」


結局、2人が廃墟から出るまで動く事すら出来なかった。

なんていうか、怖い。

殴られるなんて、ゴメンだ。


「明日菜!」


ふと、陸斗に名前を呼ばれ心臓がドクンドクンと波打つ。

それを誤魔化すように、話始めた。


「今日は楽しかったね!でも、レイ先輩怖すぎ!!幽霊も、びっくりだよ!!」
「あーいうのに限って、おどかせばいい物が見れたかも知れないよ?」