「夢!頑張ってね……!」
「うん!振られたら慰めてよう!!」
「夢なら大丈夫だよ!!」



夢も夏海も彼氏が出来る__



そう考えたら、輪の中からはみ出たような気分になり、少し寂しい。



「そうかな?そうなら、嬉しいな……。あ!そういえば、明日菜は好きな人に告白とかしないの?そう言えば、明日菜の好きな人の話聞いた事ないね!!」



夏海は私が陸斗を好きだった事を知っているから、微妙な表情を浮かべる。



「好きな人なんて居ないよ……!!今は、勉強に集中して、受験にそなえなきゃ……!!」
「流石、優等生だね!!私は、適当に受かるレベルの高校に行けばよいや!!て、事で。陸斗先輩の所に行ってくる……」
「うん!頑張って……!!」



夢が告白しに行ったのを見送ると、夏海と2人っきりになった。



「明日菜……。いいの……?」
「うん!もう陸斗の事は諦めたから……」



この決心を誰かに話すのは、初めて。



「え!だって……」
「んっ?」
「いや。何でもない__」



夏海の言い掛けた事が気になるが、深くこの話題に触れたくなくて口を噤んだ。



忘れよう。

そう思っても、忘れられないから辛い。