私はずるい。


陸斗が私にだけチョコレートをねだったという、事実を知って喜んでしまっている__



「大丈夫だよ。陸斗は人の好意を迷惑に思ったりしないと、思う!!」



本当にそう思えるし、夢の緊張を少しでも解したい。



「そっかなぁ……」
「うん!」
「でも、私。張り切りすぎて、ケーキワンホールとか持って来ちゃったよ!!」



ああ。

そう言えば、最近の私は夢に嫉妬ばかりしていた。

醜い自分を思い出し、嫌になる。



そんな事を思っていると、粉雪が降り始めた。


この、チョコレートを渡したら陸斗の事は諦めよう。だって、夢との友情を壊したくは無いから。

夢のふとした仕草を見て思ったの。

私は夢が大好き__