炭酸にお茶、スポーツドリンクの3種類が綺麗に並べられている。



「わ、私はどれでも!飲まないで記念に持って帰るので!!」
「記念!?」
「大地先輩にジュースを頂いた記念です!」



どんだけ、夏海は大地の事が好きなんだろうか。

でも、気持ちは凄く良く分かる。

だって、私も陸斗に貰ったこんぺいとうの空き瓶は綺麗に洗って残しているから__



「ちょっ!そんな事しなくても、ジュースくらいならまた奢りますよ!?」
「いえ!今度は私が奢ります!」
「夏海ちゃん、おもしれー!!」
「えっ?私の名前知ってたんですか!?」



名前を知っていただけで、目を潤ませる夏海は恋する女の子だ。



「さっき、陸斗に聞いたんだ!」
「光栄です!!ちなみに、私。大地先輩の事なら何でも知ってます!!」



怖い、怖い。

夏海の目が怖い。

でも、大地のツボにハマってるみたいだから良しとしよう。



「よし、宿題でもしよう!」



夏海のマシンガントークを止めたのは、陸斗。

夏海はハッとした顔で「宿題しないと先生に怒られる……」と呟きながら、何かに怯えているようだ。

さては、宿題をサボってこっ酷く怒られたのだろう。