玄関を開けると、そこに立っていたのは可愛いワンピースに身を包んだ、夢。



それは、女の子らしい甘い甘いワンピースで、男の人が好きそうなデザイン。



「夢ぇぇぇ！！」



そんな可愛い夢に興奮した様子で、話し掛ける夏海。



「夏海ったら、どうしたの？」
「さっきね、陸斗先輩が来てお家に誘われたの！！でね！！な・ん・と！！大地先輩が陸斗先輩のお家にお邪魔しているらしいの！！学校以外で、大地先輩見れるなんて夢の様な話！！で、夢にも確認するけど、今日の私の服変じゃなぁい？」



相変わらず、凄い早口だ。



「変！凄く変！！」



夢がからかっただけなのに、涙目で私に縋り付く夏海。



「明日菜の嘘吐きぃぃぃ！私の服、変じゃないって言ったじゃなーい！！大地先輩に変な格好見られる所だったじゃない！！て、事で今すぐ明日菜の服を貸してえぇぇ！！」
「夢。服は変じゃないよ！！落ち着こう！！」
「本当に、変じゃない？」
「「うん！」」
「じゃあ、陸斗先輩の家に行こうっ！！」



宿題を持って、お隣さんである陸斗の家に向かう。

陸斗はこんぺいとうを届ける為に家に来ていたが、私が陸斗の家を訪れるのはかなり久しぶりだから、緊張してきた。