放課後のHRが終わり、3人で帰る為の準備を行っていると、未知がぶつかって来た。



「邪魔なんだよ、ブス！！」



前はこんな事をいちいち気にしていたけど、今はどうでも良いと思い「ごめんなさい」とだけ口にする。



「明日菜！謝らなくっていーって！つーか！ブスは誰だよ！！」



クラスのリーダー的存在で有る、未知に初めて文句を言った夏海。

嬉しいけど、後でなんかされるんじゃないかと心配になってしまう。



「夏海！私は大丈夫だから＿＿」
「ああ、私。本当の事を言っただけ！てか、昔っから自分の事を棚に上げて、明日菜に嫌な言葉言ってるのが気に食わなかったんだよね。まあ、その時は明日菜とは仲良く無かったから、巻き込まれたくなくて何も言わなかったけど、今はそれを後悔している！」



え＿＿

私は嫌われていた訳じゃなかったのだろうか。


未知は、巻き込まれたくなかっただけ＿＿



もし、未知が夏海に何かしたとしても、私が守りたい＿＿

見ないフリなんてしたく無い。

そんな風に心から思ってしまう。



夏海は悔しそうな表情を浮かべ、足早に教室から出て行ってしまった。

小さな教室という空間で、小さな歓声が巻き上がる。