服部は攻撃を防ぎながら攻撃を続け、確実に新選組に一太刀浴びせていった。

最初は25名ほどが服部を囲んでいたものの、今は半分ほどまで減っていた。

服部の様子はまるで鬼のようで、服部を囲んでいる新選組の隊士よりも剣術の腕があった。

新選組の人数が減ってからは隙を見せることはなくなり、このままでは皆やられてしまうのではないかと残った隊士たちは剣を持つ腕により一層力を込めた。

さすがにひとりで何人もの刀を相手していると刀が傷むらしく、何の前触れもなく服部の刀は折れた。

今、服部が手に持っているものは右手に折れてしまい小太刀ほどの長さになってしまった刀と左手に最初から刀身の短い小太刀だけだった。

そうなってしまうと今までの間合いでは相手に攻撃することができなくなってしまい、服部は防戦一方になってしまった。

攻撃のできない相手を仕留めることは難しいことではなかった。

最初に動いたのは原田先生だった。

原田先生は持っていた刀を地面に落とすと背中に縄でくくりつけていた槍に手を伸ばし、槍を構えたのだ。

そして力を込めて服部の身体に突き刺した。

原田先生の放った槍は服部の後ろの民家の壁をも突き破るほどの威力だった。

まだ槍を抜いていないためほとんど血の出ていない服部に他の隊士が刀で斬りつけ、この戦いは終わった。

原田先生が槍を引き抜くと服部はその場に崩れ落ちた。