私が意識を失った後も服部と新選組隊士のにらみ合いは続いており、しばらく膠着状態が続いていた。

隊士たちが隙を見ては服部に斬りかかるのだが、二刀流は特に守備力に優れていたため、全て受け止められてしまっていたのだった。

本当に強い二刀流の武士を倒すためには、まず防御を主につかさどっている小太刀を飛ばす必要があった。

小太刀を左手から離させるだけで一気に守備力は落ち、形勢逆転が期待できるからだった。

しかし二刀流の人はそれを悟られないようにするのも長けていた。

もし小太刀で攻撃をかわしていると相手に気づかれてしまっては小太刀に攻撃を集中させ、それを離させようとするからだ。

だから時には刀で攻撃を受け止め、小太刀で攻撃を行い、あたかも自分はふたつの刀を同じように扱っている、利き手じゃなくても十分に刀を扱えると相手に思わせるのだ。

そうすることによって相手を紛らわせるとともに刀と小太刀の両方で攻撃も防御もできるのだった。

それが二刀流の強みだった。

もし私が意識を失う前にそれを伝えられていたら苦戦することなく新選組は服部のことを斬れただろう。

しかしそれを伝える前に私は意識を失ってしまっていたために今もなお新選組は若干押されていた。