気がつくと服部以外の御陵衛士はどこかに逃げていたらしく、油小路には服部と新選組隊士が25名ほどにらみを利かせている状況に変わっていた。

ひとりになっても降参する様子を見せない服部は背中を斬りつけられることがないようにと、背を民家の壁にくっつけ、25名ほどの隊士に向かって二刀流の構えをしていた。

私自身が二刀流だから二刀流の強いところも弱点もわかっていた。

だから、その戦いに参加しようと、立ち上がろうとしたのだが、思いのほか血を失ってしまっていたらしく、立ち上がることができなかった。

それどころか壁に背をあてながら立ち上がろうとしたためより深く傷口が開いてしまったらしく、私の背中からはまた血が流れ始め、ついに私は出血多量で意識を失ってしまった。

もし立ち上がろうとせずに大声で二刀流の弱点を叫んでいたらよかったのかもしれない、と意識を失う直前にそれが頭の中をよぎったのだが、すでに私の身体は私の意思で動かすことができなかった。