毛内の死体はその場に捨て置かれ、私は他のところに援護に行った斎藤先生を追いかけていった。

私たちが毛内を囲んでいる間にまたこの場から逃げ出した御陵衛士がいたのだろう。

先ほどまで5人いたのは2人になっていた。

これ以上逃がすわけにはいかないと刀を構えなおした瞬間だった。

背中に今まで感じたことのない痛みを覚え、私はその場に崩れ落ちた。

持っていた刀を地面に置き、背中に手を伸ばすと、手に生暖かいぬるっとした液体がついた。

液体のついた手を顔の目の前へ持っていき、私は確信した。

背後から斬られてしまったと。

幸いなことに傷はあまり深くないらしく、息をすることに問題はなかったのだが、立ち上がることができなかった。

とめどなく流れる血は私のだんだら羽織を少しずつ赤く染めていった。