(あか)は太陽や情熱の象徴、魔除けや幸運の力を秘める宝石の女王だ・・・って。お兄も、ルビーが可愛くあしらわれたアクセサリーを幾つもプレゼントしてくれた。

傷一つない楕円の紅玉に奪われてた視線を戻せば、ぶつかった眼差しがやんわり弧を描く。

「オレが選んだからちゃんと効くよ?」

誰でもないあたしの為に。いくつもの石を摘まんでは、光にかざしてる姿が浮かんだ。

隆二にとって、愛を囁くより“特別”って思えることが最上級なら。もう十二分。首許に抱きつき、詰まらせた声。

「一生大事にする・・・っ」

「オマエに言われると気持ちイイね」

そのままシーツの波間に沈められたあたしに淡い笑みが降る。愛しくてどうしようもない男の。

「もっと早く横取りしとくんだった、淳人からもタツオからも」