「・・・なんでも叶える約束破ったら、捨てるわよ?」

見下ろす眼がやんわり笑ってる。

「オマエのだから好きにして」

強がる女に強かな男。・・・なんだか口惜しい。

「隠しごとは赦すけど嘘はイヤ」

「けっこう正直者なんだけどねぇ」

「黙っていなくなったら、伊沢さんに言いつけ」

切り札だったのに最後まで言わせてもらえなかった。後ろ頭を捕まえられ、あっという間に唇が塞がれて。

しなやかに舌が忍び込む、征服される。食べ尽くされるみたいな隆二のキスが好き。シャワーの湯しぶきに濡れそぼって夢中になる。

「そんなにオレに飢えてた?」

息継ぎの合間の妖しい囁き。

「・・・オレもだよ」

掌の上であやしながら。
あたしをハチミツ漬けにする。
隆二のことだけ欲しがるように。
他は考えないように。

苦い毒を混ぜながら。・・・甘く溶かしてく。