「おかーさんはパートだしなぁ」



 そう言いながら私はポケットの中の携帯電話で時間を確認していると「三浦!」と私を呼ぶ声が聞こえた。

 
 携帯を閉じて顔を上げるとクラスメイトの成瀬が黒い傘をさして立っていた。



 「三浦、傘持ってねーの?」

 「うん、だって20%だったんだもん降水確率」

 「バッカだなー。梅雨なんだから折りたたみくらい持っとけよ」

 「うるさいなー」